メンタルへルス対策先進事例に学ぶメンタル対策のしくみ (アトテックジャパン)
http://mental-health.sjf.jp/j56h
目次
- 取り組みの特徴
- 会社概要
- ポイント
- メンタルへルス対策の全体像
基本方針 - 予防・早期発見に向けた取り組み(一次予防、二次予防)
メンタル不調者対応マニュアル
- 復帰に向けた支援(三次予防)
- メンタルへルス対策の効果
- 他社へのアドバイス
人事部門のバイブルのひとつと言われている
「労政時報」誌。
人事担当者のための、
実践メンタルへルス・マネジメント
として、2010年10月に別冊が発売になっている。
2016年になった今でも色あせることなく、
また2015年12月に厚生労働省によって義務化された
ストレスチェック制度が始まってから、
特に人気の書籍ということだ。
しかし既に絶版。
アマゾンで稀に中古品が出品されてはいるものの、
品薄&即売なのだろう、
一冊35,000円の値が付いていたこともある。
(私は3,600円で買えたのでラッキーだった)
ISBNは、
ISBN978-4-8452-0341-3
なので、国会図書館はもちろんのこと、
公立の図書館でも借りることが出来るかもしれない。
弊社クライアント様も図書館で借りて
必要箇所をコピーした、とのこと。
本誌に記載のある事例企業の例は、
厚生労働省ストレスチェック義務化の
ずっと前から、取り組んでいる企業であり、
(2010年発行である)
これから対策を始める企業にとっても
お手本企業なるであろうと感じた。
少なくても6年以上、先進である。
厚生労働省が進めるメンタルへルス対策の体系に
添って、
未然防止と職場環境の改善
(一次予防:ストレスチェックはこの一部)
早期発見と適切な対応
(二次予防)
職場復帰支援
(三次予防)
を行っていることに注目し、
単にストレスチェックを実施するだけでは
企業のメンタルへルス対策には
それ程効果を得られないこと、
そして、社内体制の整備が肝要なことが
本事例を研究して行くと理解できると思う。
今回は、アトテックジャパン社を紹介する。
(記事より一部引用抜粋要約)
取り組みの特徴
人事部長面談と管理者マニュアルで手厚い配慮、
研修の実施には国の支援を活用
会社概要
本社:横浜市
従業員数:162人(2010年7月)
主な業務:プリント基板用薬品、製造装置の製造販売。
Webサイト:http://www.atotech.com/jp.html
ポイント
①予防、早期発見に向けた取り組み:
2006年に全社的な研修を行うとともに、
「メンタル不調者対応マニュアル」を策定し
全管理者に配布。
研修には。中災防の支援事業を活用し、
実施費用を抑制。
②治療中のフォローなど:
不調者には、人事部長が面談する。
人事部長が自らの経験も踏まえて親身な
アドバイスを行う。
③復職に向けた支援:
復職支援フォローは、厚労省推奨の手順などを
簡略化して作成。1ヶ月以上休職した後の復職は、
本人・上司・人事責任者・産業医の面談を経て
関係者で協議し、人事責任者(人事部長)が
判定。
復職後は、半日勤務などから始め、無理のない
復職につなげる。
メンタルへルス対策の全体像
基本方針
「就業規則に定められた休職を保障した上で一貫した支援を行う」
かつては、不調者が出ると2~3か月休ませ、回復しなければ退職勧奨することもあった。
当社の様な中小企業では経営トップを巻き込んで、「メンタルへルス対策を積極的に推進していこう」と表明するのは難しい面があるので、「こういう時代なのでこういうことをしますよ」と了解を取り、就業規則に沿ってキチンと休ませる、必要な支援をする、ここ大事です。
不調者が出た時には出来るだけオープンにして、会社は同僚の支援を受けやすい体制を築くことで回復への早道を作っている。
中災防(中央労働災害防止協会)による無料コンサルティングも活用
Webサイト:http://www.jisha.or.jp/health/index.html
やりたいことは山ほどあったが、
まずは教育して(社員に)理解を深めてもらう事です、とのアドバイスにより、スタートした。
突筆すべきは、経営陣の理解を待たずに、
人事部門責任者のリーダシップによって、
対策を進めた点である。
経営陣の理解を待っていたら(説得・啓蒙していたら)
いつになっても始まらない企業も多々あるだろう。
そしてメンタルへルス対策が不十分なままでは、
メンタル不調のリスクが減るどころか逆に増加し、
経営リスクにつながるのである。
そして、決して退職ありきの休職ではなく、
回復・復職を前提とした就業規則の策定&研修を
通じてのメンタルへルス教育が根幹を
支えている点も、見習うべきポイントだ。
多くの中小企業では、
休職したら退職への一本道しか残っていない、
との認識が多々あり、
休職を切り出せない社員も多々いるであろう。
その状態で生産性が上がるわけがない。
会社にとっても同じ給与を支払うのであれば、
生産性を高めたいと考えるのは
全うな経営者ならそう考えるだろう。
しかし、メンタルへルス対策に「投資」しない
経営者も多々いることも事実であり、
企業繁栄のための余地はまだまだあるのでは
ないだろうか。
予防・早期発見に向けた取り組み(一次予防、二次予防)
2006年にラインケア研修・セルフケア研修を実施。
セルフケア研修:
うつ病のサイン、セルフケアとは、コミュニケーションの大切さなど。ラインケア研修:
健康・安全配慮義務の基礎知識 など。その結果、うつ病は誰でもなり、そして治ること。
不調を早めに気付いて対処することの重要性は
社内に浸透している。2007年、不調者が続出したことをキッカケに
ストレス調査を実施。
厚生労働省のすすめる
メンタルへルス対策の体系
にあるように、
未然防止のための
労働者のメンタルへルスマネジメントの向上の
ためのセルフケア研修、
職場環境の把握と改善のためのラインケア研修
を行い、ストレス調査も実施した、
まさに一次予防の対策である。
ここでの注目は、
ストレス調査(ストレスチェック)と
セルフケア研修・ラインケア研修をセットで
計画・実施した点である。
2015年12月に義務化された、
厚生労働省によるストレスチェック義務化によって、
にわかにストレスチェックの実施が騒がれているが、
成果を生むストレスチェック実施には、
方針決定と
職場環境改善策
(手段としてセルフケア研修・ラインケア研修など)
をセットで計画・実施しないことには、
成果は期待できないと思って良い。
ストレスチェック実施だけのために
予算と労力を使うかどうかは、
経営判断すべきポイントだ。
当時のストレス調査は、
職業性ストレス簡易調査票を使ったかどうかは
定かではないが、準じたモノを活用したと思われる。
メンタル不調者対応マニュアル
特にうつ病に照準を合わせて作成。
*メンタル不調の相談を受けたら出来るだけオープンにさせ、周囲の理解を得られやすいようにすること。
*専門医に相談させる。
*休職前に産業医と面談させておくと、主治医との連携が取りやすい。
*退職の申し入れがあった場合、「回復してから判断すれば良いので、まずは治療に専念するように」と働きかけること。
*休職と復職を繰り返す場合は、周囲への負担もかかり、本人も焦るので、会社・上司として出来る事・出来ない事を整理し、過度の負担がかからない支援体制を作る。
メンタル不調者対応マニュアルは絶対的なモノでは
ないということだが、ガイドラインとして機能して
いるようだ。
ガイドラインがないと、関わった者の価値観や
属人的対応となり、場合によってはいきなり
退職勧奨してしまうこともありうるだろう。
また、周囲のメンバーへの配慮も忘れては
ならないポイントだ。
ひとりの休職者が出た職場は、
更に別の者が休職してしまう場合が多い傾向にあり、
周囲のメンバーへの未然予防研修などを実施する
ことは、職場環境維持のためには
必要不可欠な対策だ。
復帰に向けた支援(三次予防)
以前は主治医が認めれば復職を許可していたが、
主治医は患者寄りの診断を下す傾向があり、
患者の業務に詳しくないため、
会社が復職の可否を判断することにした。医師による復職可能診断書、
主治医による職場復帰支援に関する情報提供書類、
などによって、本人・上司・人事部長・産業医が
面接し、上司・人事部長・産業医が話し合い、
人事部長が決める。復職が決まったら、復職支援プランをまとめ、
本人の同意を得る。復職後は、様子を見ながら支援プランを見直す。
リハビリ勤務はあえて行っていない。本人の働きたいという気持ちに対して、
カタチだけの出勤や短時間で帰したりすることを
せず、最初からフルで働いてもらい、
キチンと賃金を払う。もちろん、負荷の状態や危険な仕事をさせない
などの配慮は必要。
多くの中小企業では、主治医の診断書を鵜呑みにして、
会社側ではなにも配慮せず、復職させているのが
実態だ。
本人へのサポートプランもなければ、
復職後の上司や周囲への配慮・研修もなく、
いわば丸腰で本人は職場に放り込まれている
というのが典型である。
そして復職したかに見える本人を
待っているのは、
職場での偏見の目、
能力とはかけ離れた単純作業、
17時きっかりで強制帰宅させられる生活
が続き、
「何のために復職したのだろう・・・・」
と更に悩んでしまうことも多々あるだろう。
そして、主治医は精神科が専門でない場合が多く、
本人の復職希望(経済面を優先して復職を希望する)
により、「復職可」との診断書を書く場合が
多いので、実は寛解していない場合も多いのだ。
会社にとっては、寛解していない状態で復職され、
同じ給与を支払って、
生産性が低く、
事故やトラブルのリスクを抱えたまま、
勤務されることになる。
本人にとっても、経済的には助かるかもしれないが、
寛解していない状態での復職となれば、
やる気も起きず、周囲からの目も気になり、
充実した会社生活とは言いにくいものである。
実際このような現場、
このような立場になった社員を何人も知っているが、
おおよそ結局は退職している。
会社として、
「退職ありきの休職制度」なのか、
「復職ありきの休職制度」なのか
によって、社員の将来を大きく左右するものだ。
アトテックジャパン社の様に、
「うつ病は恥ずかしい病気ではない」
「オープンにして会社・同僚の支援を受けましょう」
「セルフケア・ラインケア研修で教育を実施」
「メンタ不調者対応マニュアルによる的確な支援」
などの体制作りと運用によって、
会社・本人の損失が最小限に食い止められる
のである。
メンタルへルス対策の効果
研修やマニュアルによって、早期発見に役立っている。
社員のメンタルへルスに対する認識が高まり、
偏見も減り、自分自身で変調に気付く社員も現れた。教育は大切だ。
事が起こる(メンタル不調)とお金も労力も
多く費やすことになるものだ。
未然に防ぐ、未然に減らすことでお金も労力も
無駄が減るのは当たり前だ。
そして、未然防止することで、
経営リスクが低くなることは言うまでもない。
事が起こる「前」に手を打つか、
事が起こった「後」に手を打つか、
経営判断上、どちらを選ぶだろうか?
他社へのアドバイス
就業規則の整備が必須
最低限は就業規則に決められた休職は支援を
することについて、経営トップの了解を取ることが
大切。その前提として就業規則の整備は欠かせない。メンタル不調では、休職と復職を繰り返す場合が
多いので、欠勤・休職期間の規定は絶対必要。
休職期間中などのノーワーク・ノーペイに
しておくとトップの理解が得やすい。担当者の価値観や道徳観による属人的対応ではなく、
組織として就業規則の整備をすることは、
本人・会社を守ることに直結するものだ。
不調者の周囲のケアも必要。
職場へのケアも重要。
不調者が出ると周囲に負担がかかるため、
同じ職場から2人目3人目が発生する恐れが
あると思った方が良い。「会社は不調者のケアはしたが、
自分たちのケアはしてくれなかった」
見逃してしまいがちなポイントである。
周囲への配慮は、その時その時の配慮も
もちろん大切だが、事前の研修によって
準備しておくことも有効だ。
いつ何時誰もがメンタル不調者になっても
おかしくない社会のなかで、
出来る事は未然防止や万が一の時の
対処法の教育であることは間違いのないことである。
株式会社労務行政 Webサイト:https://www.rosei.jp/
——————————-
河北新報の記事の一部に
掲載されました。
2016年2月6日
「昨年12月義務化
従業員の心の健康守る
ストレスチェック導入を」
画像をクリック
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(社)ジョイントベンチャー実践支援機構について
中小オーナー企業に対して、
財務(お金)
労務(人財)
営業(売上)
の面から、最適な専門家とジョイント
ワンチームで社長を支援しています
オーナ社長の経営基礎体力を強化して
頂くことが目的です
Vyond(ビヨンド)アニメは、
営業(売上)戦略の一環であり、
労務(人財)面での、離職防止・生産性向上
求職者増加の副産物も期待できます
我々のサービスをアニメ動画で
表現しました
https://youtu.be/CEMX1xyUc5k
withコロナ禍、afterコロナ禍の中、
特に、
財務:手元資金の確保
営業:売上回復
が直近の課題と理解しています
ご相談ください
Author Profile
- 仙台市生まれ。24年間、外資系電子機器メーカーで技術系営業職として従事、成績トップで米国CEO より直接表彰される一方で最下位も経験。「頂点」と「どん底」の両極端が身に染み付いている。その後、転職した地元中小企業では“パワハラ”の被害者と加害者という両方の立場に置かれてしまい“半うつ状態“に陥る。しかし、それをきっかけに「サンタ営業メソッド」と出会い健康と仕事に対する自信を取り戻す。
現在は仙台に戻り、研修講師として活動。「社員を辞めさせることなく戦力化すること」「売上増・コスト削減・人財育成・資金調達」を得意とする。また、サンタ営業メソッドでうつ状態が改善されていくことに注目し、社労士と提携ながら、「未然防止・寛解・戦力化までの社内システム構築と定着サービス」を提供する。
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